早期退職後の不安定な収入への対策~「収入の分散」&「マイ・ボーナス」
サラリーマンが早期退職をすると、それまでと比べて「収入が不安定になったなぁ…」と実感するものです。一方で、支出の方は毎月容赦なく決まった額が発生するわけで…。さてどうしたものか? 早期退職後の収入に関する課題と、我が家における対策例を紹介します。
退職後の収入に関する悩み:「不安定」「ボーナスがない!」
早期退職後の収入に関する主な悩みは、次の2つに集約されるのではないかと思います。
- 収入が不安定
サラリーマンの手取りの給料は、残業代による変動を除けば毎月ほぼ定額ですよね。いわば、定期的に定額の収入がある状態です。一方で、退職後の収入は不定期で額が変動する「不安定な状態」になるのが一般的です。毎月の家計支出はほぼ一定ですので、収入もなるべく安定させたいですね。 - ボーナスがない
サラリーマンのときの「年2回のボーナス」はなくなります。住宅ローンのボーナス払いや年2回の学費の支払いなど、ボーナス頼りだった臨時支出への対策が必要です。
それぞれの課題について、我が家では「収入の分散」と「マイ・ボーナス」によって対応しています。
「収入の分散」とは、収入源を複数用意することによって家計全体の収入を安定させる工夫です。「マイ・ボーナス」とは、家計口座から毎月一定額を別口座に振り替え、年2回のボーナス時期に家計口座に戻すという工夫です。各々について紹介します。
家計の収入を4分散
家計の収入に「妻からの定額補助」があることはこちらで記事にしましたが、それも含めて、今のところ毎月の収入を4種類に分散しています。
- 長期資産運用による収入(取り崩しながら運用)
早期退職するまでに蓄えた資産を毎月取り崩しながら長期運用
- フリーランス、個人事業の収入
業務委託報酬、アフィリエイト収入
- 妻からの定額補助
会社員である妻からの補助(妻の手取りの給料の一部)。詳しくはこちらを参照
- 短期株式トレード
日本株式のスウィングトレードによる収入
内訳(割合)についてはご想像にお任せしますが、今のところ「長期資産運用による収入(取り崩しながら運用)」が比較的大きな割合を占めています。それぞれの収入の特徴(金額が固定か変動か、入金が定期か不定期か)を整理すると、次のようになります。
収入 | 固定額 or 変動額 | 定期 or 不定期 |
---|---|---|
長期資産運用による収入(取り崩しながら運用) | ほぼ固定額 | 定期 |
フリーランス、個人事業の収入 | 変動額 | 定期 |
妻からの定額補助 | 固定額 | 定期 |
短期株式トレード | 変動額 | 不定期 |
このうち、フリーランスや個人事業の収入は今後少しずつ増やしていくものですが、詳細は別途にしましょう。また、妻からの定額補助についてはこちらの記事で触れたので、残りの2つについて、具体的にどのようにして毎月の収入にしているのかを紹介します。
長期資産運用による収入(取り崩しながら運用)
私は早期退職するまでに蓄えた資産を長期運用しています。一方で、毎月の生活費に充てるために、運用資産の一部を現金化しています。いわば、「取り崩しながら運用」というスタイルです。資産運用のスタイルを、早期退職するまでと退職後に分けて整理すると、次のようになります。
時期 | 運用スタイル |
---|---|
早期退職をするまで(資産形成期) | 長期運用 |
退職後(資産の取り崩しを開始) | 取り崩しながら長期運用 |
このような運用の切り替えを実現する手段として、私は「分配型投資信託」も利用しています。分配型投資信託は、「資産形成」と「取り崩しながら運用」のスイッチングを可能にする商品です。
具体的にどうするかというと、分配型投資信託では、分配金を再投資するか、受け取るかを選ぶことができるので、早期退職するまでの資産形成期では「再投資」を選び、退職した月からは「受け取り(受取)」を選びます。これを先ほどの表に当てはめると、次のようになります。
時期 | 運用スタイル | 分配金の取り扱い |
---|---|---|
早期退職をするまで(資産形成期) | 長期運用 | 再投資 |
退職後(資産の取り崩しを開始) | 取り崩しながら長期運用 | 受取 |
分配型投資信託というと、「えっ、あの投資効率の悪い商品?」と思われる方が多いのではないかと思います。それについては、「その通り」です。再投資に回せる資金を払い出してしまうので、そのぶん投資効率(複利効果)は下がります。ですが、そもそも「取り崩しながら運用」をする以上、投資効率が下がるのは仕方のないことと割り切っています。つまり、投資効率の悪さは「取り崩しながら運用」というスタイルの特徴です。そうしたことを納得した上で、分配型投資信託を購入しています。
問題になるのは、「分配金=運用資産の払い出し」ということを理解せずに、「分配金=利益」と思って購入しているケースです。私が10年前(2009年)に初めて分配型投資信託を購入したときも、最初はそういう誤った理解をしていました。恥ずかしながら…。
短期株式トレード
これは、スポットで行う日本株投資です。2018年12月末など、相場が急落するタイミングが年に数回ありますが、そのようなときに予め決めていた日本株を買って、相場が持ち直したら売るという狙いで行っています。現実には、狙い通りに実行するのは至難の業なので、あまりお勧めできるものではありません。
相場の急落時に「今が底値だ」と見極めることは難しいものです。後になって、あそこが底値だったと分かります。したがって、
- 1回で買わない(少額ずつ分割して買う)
- 予め決めていた銘柄を買う(値惚れして買わない)
- 資金に余裕をもって買う
など、とても保守的に行っていますが、「言うは易く行うは難し」の奥の深い世界です。
マイ・ボーナスで臨時支出をカバー
マイ・ボーナスとは、自分で自分に払うエア・ボーナスです(笑)。家計口座から毎月一定額を別の口座に振り替えて積み立てておき、年2回のボーナス時期に家計口座に戻すことにより、あたかもボーナスが支給されたかのような状況を作るという工夫です。
我が家の場合は、6月1日と12月1日をマイ・ボーナスの支給日にしており、次のように運用しています。
マイ・ボーナス | 金額 | 積立時期 |
---|---|---|
6月支給 | 6月~11月に予定されている臨時支出をカバーする金額 | 前年12月~5月 |
12月支給 | 12月~翌年5月に予定されている臨時支出をカバーする金額 | 6月~11月 |
なんだか涙ぐましいですねぇ~。でも、こうしないと臨時支出をカバーできません。堅い覚悟で毎月積み立てています。
最後に
いかがでしたでしょうか? 早期退職後の不安定な収入に対する対策例として、収入源を複数用意することによって家計全体の収入を安定させる「収入の分散」を、ボーナスがないことに対する対策例として、家計口座から毎月一定額を別口座に振り替え、年2回のボーナス時期に家計口座に戻す「マイ・ボーナス」を紹介しました。
私の目下の目標は、4つの収入源のうち「フリーランス、個人事業の収入を増やすこと」と、「運用資産の取り崩しを抑制して資産を保全すること」です。後者のためには、保有している投資信託の分配金をなるべく低く抑えることが大切になります。
分配型投資信託のメリットとデメリットについてはこちらの記事に紹介していますので、参考にしてください。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません