新型コロナウイルスの感染者数の推移(2020年1月22日~5月10日)

2020年の世界経済に大きなダメージを与えている新型コロナウイルス。経済環境が好転するには、主要国における感染がピークアウトし、経済活動が再開することが必要になります。
このページでは、Kaggle.comの公開データを元に、2020年1月22日~5月10日の感染者数の推移をまとめています。5月10日時点では中国や韓国における感染は終息し、欧米の主要国においても新規感染者数(1日で新たに感染した人数)は減少に転じています。少しずつですが、経済・社会活動を再開する動きが見え始めました。
感染者数の推移(世界全体)
感染者数の推移
5月10日時点で感染者数は410万人を超えています。2月までは中国が感染の中心でしたが、3月に入ってから欧米を中心に世界規模で感染が拡がり始めたことにより、グラフの勾配が変化しました。

(2020年1月22日~5月10日)
上位5か国の感染者数の推移の比較
現在、感染者数の上位5か国はアメリカ、スペイン、イギリス,イタリア、ロシアになっています。中国の感染者数は2月の終わりには頭打ちになり、3月に入ると欧米諸国で感染者が増え始めました。現在はロシアの感染者が急速に増えています。

(主軸:アメリカ、第2軸:それ以外)【単位:人】
(2020年1月22日~5月10日)
感染者数の推移を「60人を超えた日」を揃えて比較すると、次のようになります。縦軸は対数軸にしており、参考までにオーバーシュート・ライン(感染者数が3日で倍になるグラフ)を赤線で示しました。赤線よりも上側がオーバーシュートした状態(感染者数が3日で倍を超えるペースで増える状態)になります。また、日本の感染者数のグラフも示しています。
これを見ると、上位5か国はオーバーシュートした状態から回復しています。また上位5か国と比べると日本における感染者の増え方は緩やかであることが分かります。

60人を超えた日を揃えて比較
(2020年1月22日~5月10日)
新規感染者数の推移
新規感染者数(1日で新たに感染した人数)は約8万人弱です。新規感染者数は6~10万人で頭打ちになっています。

(2020年1月22日~5月10日)
感染者数の推移(国別)
国別の感染者数を見ると上位10か国は、アメリカ、スペイン、イギリス、イタリア、ロシア、フランス、ドイツ、ブラジル、トルコ、イランになっており、この10か国で全体の73%弱を占めています(下表)。死亡者数に関しては、アメリカが8万人弱と最も多く、次いでイギリスとイタリアが3万人強となっています。
日本の感染者数は15,777人で33位に位置しています。

(2020年1月22日~5月10日)
それぞれの国について、1月22日以降の感染者数の推移を示します。
アメリカの感染者数の推移
感染者の総数を左側の軸(主軸)に、新規感染者数を右側の軸(第2軸)にしています。感染者の総数は増えていますが、新規感染者数は頭打ちになっています。

(主軸:総数、第2軸:新規数)【単位:人】
(2020年1月22日~5月10日)
スペインの感染者数の推移
感染者の総数は増えていますが、新規感染者数は減少傾向です。

(主軸:総数、第2軸:新規数)【単位:人】
(2020年1月22日~5月10日)
イギリスの感染者数の推移
感染者の総数は増えていますが、新規感染者数は頭打ちになっています。

(主軸:総数、第2軸:新規数)【単位:人】
(2020年1月22日~5月10日)
イタリアの感染者数の推移
感染者の総数は増えていますが、新規感染者数は減少傾向です。

(主軸:総数、第2軸:新規数)【単位:人】
(2020年1月22日~5月10日)
ロシアの感染者数の推移
感染者の総数は増えており、新規感染者数も増加傾向です。

(主軸:総数、第2軸:新規数)【単位:人】
(2020年1月22日~5月10日)
フランスの感染者数の推移
感染者の総数は増えていますが、新規感染者数は減少傾向です。

(主軸:総数、第2軸:新規数)【単位:人】
(2020年1月22日~5月10日)
ドイツの感染者数の推移
感染者の総数は増えていますが、新規感染者数は減少傾向です。

(主軸:総数、第2軸:新規数)【単位:人】
(2020年1月22日~5月10日)
ブラジルの感染者数の推移
感染者の総数は増えており、新規感染者数も増加傾向です。

(主軸:総数、第2軸:新規数)【単位:人】
(2020年1月22日~5月10日)
トルコの感染者数の推移
感染者の総数は増えていますが、新規感染者数は減少傾向です。

(主軸:総数、第2軸:新規数)【単位:人】
(2020年1月22日~5月10日)
イランの感染者数の推移
感染者の総数は増えていますが、新規感染者数は減少傾向です。

(主軸:総数、第2軸:新規数)【単位:人】
(2020年1月22日~5月10日)
中国本土の感染者数の推移
感染者の総数は8万人強と多いですが既に頭打ちになっています。中国の国家衛生健康委員会は3月12日の記者会見で、「中国での流行のピークは過ぎた」と述べています。感染者が増え始めてから約1ヶ月半でピークアウトを発表したことになります。

(主軸:総数、第2軸:新規数)【単位:人】
(2020年1月22日~5月10日)
日本の感染者数の推移
感染者数は5月10日時点で15,777人。前日から114人増えています。感染者の総数は増えていますが、新規感染者数は減少傾向です。

(主軸:総数、第2軸:新規数)【単位:人】
(2020年1月22日~5月10日)
オーバーシュート・ライン(感染者数が3日で倍になるグラフ)を赤で、また「1週間で倍になるグラフ」をグレーで示したものが次のグラフです。日本の感染者の増え方は「1週間で倍」のペースを下回る水準で推移しています。

60人を超えた日を揃えて比較
(2020年1月22日~5月10日)
まとめ
新型コロナウイルスの感染者数に関する5月10日の状況は次のとおりです。
- 世界全体の感染者数は410万人強。新規感染者数は6~10万人で頭打ちになっている。
- 中国や韓国では感染が終息。欧米の主要国では新規感染者数が減少傾向になっている。
- 感染者数の上位5か国はアメリカ、スペイン、イギリス、イタリア、ロシア。
- 感染者数の上位10か国についての状況は次のとおり
- 新規感染者数が減少傾向
- アメリカ、スペイン、イギリス、イタリア、フランス、ドイツ、トルコ、イラン
- 新規感染者数が増加傾向
- ロシア、ブラジル
- 新規感染者数が減少傾向
- 日本の感染者数は15,777人。前日から114人増えているが、新規感染者数は減少傾向。
この記事は定期的に更新してきましたが、主要国において経済・社会活動を再開する動きが見え始めたので、ひとまず記事の更新をお休みしようと思います。
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