ダウ平均株価と日経平均株価の一日あたりの騰落記録~トップ10

2020年6月17日

日米の代表的な株式指標(ダウ平均株価、日経平均株価)について、一日あたりの騰落幅と騰落率のトップ10を調べてみました。

一般に、大幅な下落は「○○ショック」と呼ばれるような金融危機において起こりますが、調べてみると、大幅上昇のほとんども金融危機の際に記録していることが分かります。○○ショック時にはボラティリティが極端に大きくなるので、大幅な下落だけでなく大幅な上昇も起こり得るわけですね。

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ダウ平均株価の一日あたりの騰落記録~トップ10

2007年3月20日以降のダウ平均株価の終値を元に調べました。分析に使用したデータは、macrotrends.netからダウンロードしています。

ダウ平均株価~下落幅トップ10

ダウ平均株価の一日あたりの下落幅のトップ10は次表の通りです。コロナショックにおける記録が1位~7位を独占しているほか、10位にも入っています。コロナショックにおける一日の下落幅が歴史的な大きさであることが分かります。8位と9位はVIXショックにおける記録です。

ダウ平均株価終値~下落幅トップ10
(2007年3月20日以降)

なお、2020年3月16日に記録したマイナス2,997.10ポイントの下落幅は、2007年3月19日以前も含めた歴代1位の記録です。

ダウ平均株価~下落率トップ10

ダウ平均株価の一日あたりの下落率に関しても、コロナショックにおける記録が1位と2位になったほか、4位、8位~10位に入っています。それ以外はリーマンショックにおける記録です。

ダウ平均株価終値~下落率トップ10
(2007年3月20日以降)

なお、歴代1位の下落率はブラックマンデー(1987年10月19日)に記録したマイナス22.61%です。この時は前日の2,246.73ポイントからマイナス507.99ポイントも下落しました。

ダウ平均株価~上昇幅トップ10

ダウ平均株価の一日あたりの上昇幅のトップ10は次表の通りです。コロナショックにおける記録が1位~7位を独占したほか、9位に入っています。また、2018年のクリスマス暴落後のリバウンドにおける記録が8位に、リーマンショックにおける記録が10位に入っています。

ダウ平均株価終値~上昇幅トップ10
(2007年3月20日以降)

なお、2020年3月24日に記録した+2,112.98ポイントの上昇幅は、歴代1位の記録です。

ダウ平均株価~上昇率トップ10

ダウ平均株価の一日あたりの上昇率に関しても、コロナショックにおける記録が1位になったほか、4位、5位、9位に入っています。それ以外はリーマンショクにおいて記録しています。

ダウ平均株価終値~上昇率トップ10
(2007年3月20日以降)

なお、歴代1位の上昇率は、世界恐慌時(1929年~1930年代後半)の1933年3月15日に記録した+15.34%です。その際は、前日の53.84ポイントから+8.26ポイント上昇しました。

日経平均株価の一日あたりの騰落記録~トップ10

ダウ平均株価と期間を合わせるために、2007年3月20日以降の日経平均株価の終値を元に調べました。分析に使用したデータは、macrotrends.netからダウンロードしています。また、歴代1位の記録については、日経平均プロファイルの情報を参考にしました。

日経平均株価~下落幅トップ10

日経平均株価の一日あたりの下落幅のトップ10は次表の通りです。1位はブレグジットにおける記録です。2位はバーナンキショック、3位と6位はコロナショック、4位と10位はリーマンショック、5位はVIXショック、7位は東日本大震災、8位は2018年のクリスマスにおける暴落、9位は米中貿易摩擦や円高加速への懸念を背景とする下落です。

日経平均株価終値~下落幅トップ10
(2007年3月20日以降)

なお、歴代1位の下落幅はブラックマンデー(1987年10月20日)に記録したマイナス3,836.48円(終値は21,910.08円)です。表中1位となった2016年6月24日の記録は歴代では8位です。

日経平均株価~下落率トップ10

日経平均株価の一日あたりの下落率に関しては、リーマンショクにおける記録が1位になったほか、3位~5位、8位~10位に入っています。2位は東日本大震災、6位はブレグジット、7位はバーナンキショックにおける記録です。

日経平均株価終値~下落率トップ10
(2007年3月20日以降)

日経平均株価の下落率のトップ10にコロナショックにおける記録が入っていないことは特徴的です。日銀による大量のETF買いが下落率を抑制していると思われます。

なお、歴代1位の下落率はブラックマンデー(1987年10月19日)に記録したマイナス14.9%です(終値は21,910.08円)。表中1位となった2008年10月16日の記録は歴代では2位です。

日経平均株価~上昇幅トップ10

日経平均株価の一日あたりの上昇幅のトップ10は次表の通りです。1位、3位、7位、10位はコロナショック、2位はチャイナショックにおいて記録しています。4位と9位はリーマンショックにおける記録です。5位はトランプ大統領就任直後の大幅上昇。6位と8位は2016年1月~2月のチャイナショックにおける記録です。

日経平均株価終値~上昇幅トップ10
(2007年3月20日以降)

なお、歴代1位の上昇幅はバブル崩壊時の短期リバウンド(1990年10月2日)において記録した2,676.55円(終値は22,898.41円)です。表中1位となった2020年3月25日の記録は歴代では5位になります。

日経平均株価~上昇率トップ10

日経平均株価の一日あたりの上昇率に関しては、リーマンショックにおける記録が半数(1位、2位、4位、9位、10位)を占めています。3位と7位はコロナショック、5位と6位はチャイナショックにおける記録です。8位はトランプ大統領就任直後の大幅上昇です。

日経平均株価終値~上昇率トップ10
(2007年3月20日以降)

2008年10月14日の記録は歴代1位です。下落率の歴代1位を2日後の2008年10月16日に記録していますので、リーマンショックにおける値動きがいかに荒かったかが分かります。

指数の騰落に大きな影響を与えた過去の出来事

上に述べた指数の騰落に大きな影響を与えた過去の出来事(上に示した表の「背景」列に記載したもの)を改めて以下に一覧しておきます。他のサイトでは別の呼び方をしているかも知れません。

年月出来事
2008/9~2009/3リーマンショック
2011/3東日本大震災
2013/5バーナンキショック
2015/9チャイナショック
2016/1~2016/2チャイナショック
2016/6ブレグジット
2016/11アメリカ大統領選挙
2018/2VIXショック
2018/3米中貿易摩擦や円高加速への懸念
2018/12クリスマス大暴落
2020/2~2020/6コロナショック
表.指数の騰落に大きな影響を与えた過去の出来事

まとめ

ダウ平均株価と日経平均株価の一日あたり騰落幅と騰落率について、2007年3月20日以降のトップ10を調べてみました。

  • 「○○ショック」と名の付く金融危機ではボラティリティが極端に大きくなるため、大幅下落だけでなく大幅上昇も起きている。
  • 騰落率の1位は次のとおり
    • ダウ平均株価下落率:-12.9% (2020/3/16, 終値20,188.52)
    • ダウ平均株価上昇率:+11.4% (2020/3/24, 終値20,704.91)
    • 日経平均株価下落率:-11.4% (2008/10/16, 終値8,458.45)
    • 日経平均株価上昇率:+14.2% (2008/10/14, 終値9,447.57)
  • ダウ平均株価の騰落率のトップ10はコロナショックとリーマンショックにおける記録が占めている。
  • 日経平均株価の騰落率のトップ10にはそれ以外に、チャイナショック、東日本大震災、ブレグジットなどにおける記録が含まれ、多要因になっている。
  • 日経平均株価の下落率のトップ10にコロナショックにおける記録がない。日銀による大量のETF買いが下落率を抑制していると思われる。

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